夫から暴力を受けたらどうすればいい?弁護士が解説

  
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

夫から暴力を受けたら、命に関わる問題ですので、まずは安全を確保することが大切です。

110番通報するか、最寄りの警察署や交番、駐在所に行って被害を訴えてください。

警察では、被害者の意向を尊重し、相談・防犯指導、被害者の保護、DV加害者である配偶者の暴力の制止、加害者の指導・警告、検挙等、必要な措置を採ります。

また、加害者とはしばらくの間、物理的な距離をおくこと、すなわち、別居も検討すべきでしょう。

当事務所では、配偶者暴力相談支援センター等が運営している一時保護施設(DVシェルター)もご紹介しています。

ここでは、夫から暴力を受けた場合のリスクや対処法を解説しています。

ぜひご参考になさってください。

夫から暴力を受けたときのリスク

夫から暴力を受けたとき、次のリスクが懸念されます。

生命、身体への危害

夫から殴る、蹴るなどの暴力を受けると、通常打撲や傷などのケガが生じます。

また、暴力の程度がひどい場合、骨折などの重傷を負うこともあります。

当たりどころが悪いと脳への障害や死に至るケースも有るため、極めて危険な状態と言えます。

 

メンタルにダメージ

夫からの暴力は、つらく悲しい記憶として、体の傷だけでなく心にも傷を作ります。

体の傷は癒えても、心の傷は簡単に癒すことはできません。

そのため、状況によっては体の傷以上に深刻なダメージとなります。

 

家族の心配

あなたが暴力を受けていることを子供、親、兄弟などのご家族がとても心配なさるでしょう。

特に親しい親族ほど、大切な家族が苦しむ姿を耐えられないと感じるはずです。

そのため、夫からの暴力はあなただけでなく、周囲の方も苦しめることとなります。

 

 

夫から暴力を受けたときの7つの対処法

夫から暴力を受けている方は、以下の対処法を検討してみてください。

夫から暴力を受けたときの7つの対処法

①病院を受診する

暴力を受けたら、すぐに受診するようにしましょう。

受診する目的は2つです。

まず、治療のためです。医療機関で適切な治療を受けることで怪我の痛みから早く解放されることができます。

もう一つは、証拠保全のためです。

後述する離婚裁判や保護命令などにおいては、夫が暴力の存在を否認した場合、あなたに立証する責任があります。

医療機関を受診すると、診断書やカルテなどの証拠を入手することが可能となります。

 

②ケガがあれば写真を撮る

証拠保全に関連して、ケガの写真を撮っておくようにしましょう。

スマホの撮影であれば、データを保存して消してしまわないように注意してください。

 

③別居する

DV夫の暴力は、あなたが同居している限り、止むことは期待できません。

DV夫の暴力を止める方法は、攻撃対象者であるあなたが「夫と物理的な距離を確保すること」、すなわち別居することです。

別居に際しては、ポイントが2つあります。

まず、別居先住所を知られないようにしてください。

具体的には住民票の非開示の手続などの方法がありますが、くわしくは弁護士に相談なさってください。

もう一つは、別居と同時に生活費(婚姻費用といいます。)を請求することです。

あなたが夫の同意なく、一方的に別居したとしても、あなたには生活費を求める権利があります。

婚姻費用の相場についても、弁護士に相談なさってください。

 

④警察に相談する

相手の暴力がひどい場合、警察への相談も検討します。

最寄りの警察署の生活安全課で相談すると、万一の場合に警察がすぐに駆けつけてくれる体制をとってくれるでしょう。

また、警察でDVについての相談記録があると、後述する保護命令を申し立てる場合、スムーズに認めてもらえることが可能です。

 

⑤保護命令の申立てを検討する

保護命令は、「被害者が更なる配偶者からの暴力によりその生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」に発令されます(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律10条)。

参考:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律|e-GOV法令検索

保護命令が認められると、夫はあなたに接近したり周囲を徘徊することもできなくなります。

また、夫を自宅から対処させることも可能となります。

ただ、保護命令は相手への影響も大きいため、申し立てるか否かは慎重に判断すべきでしょう

 

⑥離婚を検討する

夫の暴力が改善されない場合、離婚することも視野に入れて行動しましょう。

もっとも、DV夫との離婚は簡単ではないことがあります。

暴力夫はあなたを攻撃することに依存しています。

そのため、攻撃対象者であるあなたと離婚することに対して消極的になることが予想されます。

このような場合、間に弁護士に入ってもらうなどして、離婚が成立するケースもあります。

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⑦DVに強い弁護士に相談する

上で解説したようにDV問題は、一刻も早い別居、生活費の請求、離婚の可否等を検討することとなります。

これらを的確に判断するためにはDV問題に対する専門知識や経験が必要です。

そのため、夫からの暴力でお悩みの方は、DV問題に強い弁護士に相談なさってください。

 

 

夫の暴力についてのQ&A

夫の暴力に関するよくあるご質問を紹介いたします。

旦那の暴力で慰謝料はいくらもらえる?

夫の暴力が原因で離婚する場合の慰謝料は幅が広く、一概には言えません。

ケガがない場合、慰謝料は認められないケースが多いです。

反対に、重傷を負ったような場合は数千万円となるケースもあります。

そのためDVに強い弁護士にくわしい状況をお伝えの上、助言を受けるようにしてください。

 

どこにDV通報すればよいですか?

DVを通報する場合、緊急性があれば警察(110番)となります。

この場合、警察が自宅に駆けつけてくれますが、夫が逮捕される可能性が高いです。

そのため、緊急性がなければ警察署にて相談なさるか、DVに強い弁護士にできるだけ早く相談なさってください。

 

 

まとめ

以上、夫からの暴力について、そのリスクや対処法を詳しく解説いたしました。

夫からの暴力は、生命・身体の危害のほか、精神的ダメージやご家族の心配などが懸念されます。

対処方法としては、医療機関の受診、別居する、警察への相談、保護命令の申立てなどが考えられます。

どのように対処すべきかは状況によって異なります。

そのため、できるだけ早い段階でDVに強い弁護士に相談なさることをお勧めいたします。

当事務所には離婚・男女トラブルに注力する弁護士で構成される専門チームがあり、DVで悩む方を強力にサポートしています。

LINEなどを活用した全国対応も行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

  





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