モラハラで慰謝料は発生するか?【弁護士がポイントを解説】
モラハラでもケースによっては慰謝料が認められる場合があります。
モラハラとは?
モラハラとは、精神的な暴力のことをいいます。
例えば、「お前は役に立たない。」「お前は何も考えようとしない。少しは考えたらどうだ。」などの心無い言葉を日常的に放ったり、日々威圧的な態度をとったりすることが、これにあたります。
モラハラ行為により精神的苦痛を受けた場合、慰謝料請求をすることが可能です。
とはいえ、慰謝料金額に決まりがあるわけではなく、モラハラ行為の期間、モラハラの態様、心身に現れた症状(うつ病等)などにより、ケースバイケースです。
過去の裁判例を見ても、数十万円~数百万円まで様々です。
モラハラを受け続けた被害者の方からすれば、せめてもの償いとして、モラハラ加害者に慰謝料請求をしたいと考えるのも当然のことだと思います。
しかし、モラハラ加害者へ慰謝料請求をし、慰謝料を獲得するには、いくつかのハードルがあります。
そのうちの主なもの2点を挙げます。
モラハラの慰謝料請求が難しい理由
1点目は、モラハラ加害者は、自分を重要・特別な人物だと考えているため、プライドが高く自らの非を認めようとしないことです。
モラハラ加害者は、攻撃している自分が悪いのではなく、攻撃をされている相手が悪いのだと考えています。
そのようなモラハラ加害者は、とりわけ被害者であるあなたの声には耳を傾けないでしょう。それどころか、反対にますます言葉などで威圧してくるかもしれません。
2点目は、モラハラ被害は言葉の暴力によるものであるという点です。
言葉の暴力は、殴る・蹴るなどの身体的な暴力と異なり、目で見ることはできません。
また、心の傷は、体の傷と異なり、怪我の跡が残りません。
そのため、損害を証明したくても、写真を取ることができません。
モラハラ加害者である夫(妻)がモラハラの言動を認めてくれれば立証の必要はありませんが、1点目であげたとおり、モラハラ夫(妻)は、自らの非を認めない傾向にあります。
証拠の集め方
モラハラの慰謝料請求においては、立証のための証拠を集めることが重要です。
モラハラの証拠の集め方についてはこちらをご覧ください
モラハラ夫(妻)との解決事例
上記のとおり、モラハラ事案は、難しい要素がありますが、だからと言って、慰謝料請求を最初から諦めろというわけではありません。
モラハラによって深く傷つけば、被害者として加害者に対して慰謝料を請求するのは当然の権利です。
また、離婚では、慰謝料のほかに、財産分与、養育費などの他の金銭給付も重要です。
慰謝料の平均的な相場よりも、財産分与や養育費の方が経済的な利益としては高くなることがあります。
例えば、以下は、当事務所におけるモラハラ事案で多額の金銭給付を受けることができた事例です。
【セックスレスのモラハラ夫から1300万円の財産分与を受けた妻Kさんの事例】
こちらのページをご覧ください。
Kさんは結婚前に夫と2年ほど交際しており、誠実そうな人柄 ...
【モラハラ夫から離婚を成立させた上で高額な財産分与を取得できた妻Yさんの事例】
こちらのページをご覧ください。
上記はあくまで参考例であり、どの程度の金銭給付を受けることができるかはケース・バイ・ケースです。
例えば、相手方の経済状況、モラハラの悪質性の程度、相手方の性格など、様々な事情によって解決方法は異なります。
しかし、モラハラ相手であっても、金銭給付は諦めず、専門家に相談することが重要です。
問題点
モラハラ夫の問題点
加害者がモラハラ夫の場合、言葉の暴力に加えて、身体的な暴力も行われていることが多い傾向です。
また、身体的な暴力がなかったとしても、被害者は加害者に対して、極度に恐怖心を抱いていることがあります。
そのため、被害の程度が深刻なことがあるため、早期の解決が望まれます。
特に、生命・身体に対する危害が予想される事案では、一刻も早く、物理的な距離を置くこと、つまり別居することが重要です。
モラハラ妻の問題点
加害者がモラハラ妻の場合、離婚の話をすると激昂するなど、感情的になってしまい、冷静な話し合いとはならない傾向にあります。
このような場合、第三者が仲介役となることで、離婚の交渉が進む可能性があります。
第三者としては、親や共通の知人、離婚専門の弁護士などが考えられます。
離婚専門の弁護士の場合、法律面で強力にサポートしてくれるので頼もしい存在といえるでしょう。
モラハラのご相談の流れ
当事務所の離婚事件チームは、モラハラ問題を強力にサポートしています。
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