男性でもDVやモラハラの被害者と認めてもらえますか?
男性でもDV・モラハラの被害者と認められます。
男性に対するDVとは
「DV」という言葉を聞いたとき、ほとんどの方は男性の女性に対する暴力を想像されると思います。
基本的には、女性よりも男性の方が体格や力で勝るため、社会一般のイメージがDVの被害者=女性であることは当然でしょうし、実際に起こるDVも女性が被害者のケースが多いと考えられます。
しかしながら、いわゆる言葉の暴力である「モラハラ」は、身体的能力には影響されないため女性が男性に対して行うケースも十分に想定されます。
また、殴る蹴るなどの直接的な暴力に関しても、男性が被害者であるケースは決して少なくありません。
くわしくはこちらの内閣府男女共同参画局のホームページに掲載の配偶者からの暴力に関するデータをご参照ください。
どのような被害がある?
DVの被害に遭われたことのない男性は、なぜ男性が力の劣る女性に一方的に暴力を振るわれるのかと疑問にもたれる方もいるかもしれません。
しかしながら、自分の方が力が強いとわかっているからこそ反撃に出ることは出来ないと考えられている男性や、日々精神的に追い詰められており、身体的な暴力があったとしても既に抵抗をする気力がもてない状態に陥っている男性もいらっしゃいます。
実際に、依頼者の方の中には、妻に抵抗をしようとすると妻は妻自身を傷つけたり、部屋中をめちゃくちゃにしたりするので依頼者が我慢することが一番被害の少ない方法と話されている方もいました。
離婚する際にどう関わる?
男性がDVやモラハラの被害者として認められ得ることは上述のとおりですが、離婚の裁判等で裁判所にDVやモラハラの存在を認めてもらうには証拠が必要となります。
例えば、暴力を受けて病院に行った場合の診断書、警察等に相談した場合の相談記録、怪我の写真データ、暴言の録音データ、日記等々が証拠となり得ます。
当事務所の弁護士の解決事例でも、妻からのDVに悩む男性が実際に写真や録音テープを証拠として使い、離婚を成立させた解決事例がございます。
詳しくはこちら(「経済的虐待や親族への嫌がらせを繰り返す妻と離婚を成立させた夫Sさん」)からご覧ください。
ただ、注意をして欲しいことは、証拠を獲得するためにDVやモラハラを我慢すべきではないということです。
確かに、証拠がなければDVやモラハラの存在を前提とした離婚や慰謝料の請求を行うことは難しいと考えられます。
しかしながら、1回の暴力で重い怪我を負うこともありますし、何より暴力やモラハラを我慢し続けた心の傷はなかなか癒えるものではありません。
そのため、まずは、自分の心身の健康を第一に考え、相手方の支配下から逃れること、すなわち別居をするべきであると考えられます。
そして、別居時に気をつけるべきことや、別居後にどのように動いていくかについては、状況に応じた判断が必要となりますので、DV、モラハラ問題の専門家である弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
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