警察に取り合ってもらえなかった妻が暴力夫と離婚を成立させた事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Fさん (佐賀県鳥栖市)
30代女性
職業:会社員
世帯年収:1000万円
婚姻期間:20年
解決までの期間:2年
解決方法:調停離婚
子どもあり (大学生2人)
離婚を切り出した

相手:40代消防士

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 増額利益
離婚 不成立 成立
慰謝料 0円 150万円 150万円
養育費 月額10万円 月額12万円 月額2万円
年金分割 50% 50%

 

状況

Fさんは、20年前に夫と結婚し、2人の子どもをもうけました。

現在では、2人の子どもたちは大学に通っています。

結婚後、Fさんは長い間夫からの暴力や暴言を受けていました。

暴力を受けた際には、夫が消防士ということもあり、警察に相談に行っても「旦那さんが失職しちゃうよ。」などと言われ、とりあってくれないこともありました。

Fさんは、2年前、夫の暴力を受けて腕に傷跡が残るほどの怪我を負いました(Fさんはそのとき医者にかかり診断書を取得していました)。

そのままFさんは逃げるようにして別居を開始しました。

離婚を決意したFさんは、弁護士に相談することにしました。

 

 

弁護士の関わり

最初の相談では、弁護士はFさんが夫から暴力を受けひどい怪我をし、その怪我についての診断書もあったため、こちらとしては強気で相手方に対して離婚を申し入れることができると判断し、依頼を受けました。

しかしその後、Fさん自身にも浪費などの落ち度があることがわかり、Fさんが一方的に強気に出られるような事案ではないことがわかりました。

そこで、弁護士は、Fさんの落ち度をフォローしつつ、丁寧に交渉を重ねた結果、調停で慰謝料を支払ってもらい離婚をすることができました。

 

 

補足

離婚訴訟において、裁判所が離婚を認めるのは、民法所定の離婚原因がある場合です。

離婚原因について、くわしくはこちら「離婚を考えたとき、押さえるべき8つのポイント ①離婚が認められるか」をごらんください。

暴力・暴言は、離婚原因のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当すると考えられるため、離婚が認められる可能性があります。

しかし、これを裁判所に認めてもらうためには、暴力や暴言があったことの証拠が必要です(このようなパターンではたいてい暴力や暴言を相手方から否定されてしまいます。)。

幸い、今回のケースではFさんが暴力を受けた際に病院をきちんと受診し、診断書を取得していたため、一つの武器として使うことができました。

他方、今回のケースでは、夫も弁護士に相談に行き、Fさんの浪費の事実を主張してきていました。

離婚原因のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に浪費も該当する可能性があるため、弁護士は法的に反論をして、Fさんが少しでも有利になるように交渉し、暴力の慰謝料を取得して離婚できました。

この事例の慰謝料に関する説明は、こちらをごらんください。

この事例の養育費に関する説明は、こちらをごらんください。