首を絞める暴力医者の夫との離婚調停を成立させた妻Yさんの事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Yさん (福岡県久留米市)
30代女性
職業:専業主婦
世帯年収:2000万円
婚姻期間:12年
解決までの期間:10ヶ月
解決方法:調停離婚
子どもあり (3人)
離婚を切り出した

相手:40代医師

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。
なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 利益
離婚 不成立 成立
親権
養育費 0円 月額35万円 月額35万円
財産分与 0円 2300万円 2300万円
年金分割 50% 50%

 

状況

Yさんは、12年前に医師である夫と結婚しました。

夫は、結婚前は優しい感じがしましたが、結婚して子どもが生まれると、しだいに些細な事で怒って暴言を吐くようになりました。

また、夫はYさんが掃除などの家事を怠けているなどと言って、激昂し、Yさんの携帯電話を壁に投げつけるようなこともありました。

Yさんは、そんな夫をあまり刺激しないように怯えて暮らすようになりました。

3人目の子どもが生まれてしばらくすると、夫の暴言はエスカレートしました。

そして、ある日、夫婦喧嘩の際、夫がYさんの首を締めるということがありました。

Yさんは、夫との生活に限界を感じました。そして、夫のDVについて、友人に相談したところ、友人から当事務所のことを聞き、弁護士に相談しました。

 

 

弁護士の関わり

Yさんは、離婚して子ども達と実家で生活することを希望していました。

弁護士は、Yさんの安全を確保するため、離婚が成立する前に実家へ子どもたちを連れて別居することを提案しました。

そして、Yさんの別居の日に合わせて、夫へ協議離婚を申し入れました。そして、夫に対して文書でYさんとの接触を禁止する旨通知しました。

夫は、離婚を拒否し、Yさんや子どもたちに合わせるように求めてきました。

弁護士は、Yさんの面会要求を拒否し、離婚の交渉を行いました。夫は、離婚自体には何とか受け入れましたが、財産分与、養育費などについて、弁護士の要求を拒否しました。

そこで、弁護士は離婚調停を申し立てました。

調停において、粘り強い交渉の結果、夫は離婚、財産分与、養育費の支払いに応じ、調停が成立しました。

 

 

補足

離婚訴訟において、裁判所が離婚を認めるのは、民法所定の離婚原因がある場合です。

離婚原因について、くわしくはこちらをごらんください。

 

DV事案は、離婚原因のうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当すると考えられるため、離婚が認められる可能性があります。

ただ、問題となるのは、その証明方法です。

DV加害者は多くの場合、自己の加害行為を否認してきます。

そのため、DVを主張する被害者側に立証する必要があります。

本件では、夫は、妻に対する暴言や暴行(首を絞めたこと)について、認めませんでした。

しかし、このような証拠がない場合でも、事実を主張することが重要です。

自分に非があることを相手方は認識しているので、裁判になることをおそれ、交渉や調停で最終的に離婚に応じる場合があるからです。

 

この事例の財産分与に関する説明は、こちらをごらんください。

この事例の養育費に関する説明は、こちらをごらんください。